制御・運用技術を意味する用語・otは、製造業や社会インフラで活用されている大型機械・設備のコントロールを担います。工場で製造を行うための工作機械や制御装置を遠隔操作したり、交通や水道・電気などを管理する設備およびシステムを最適に動かしたりするための技術です。これまでotは、インターネットなど外部との通信ネットワークから切り離された状態で運用されていました。独自のプロトコルを使用する、閉じたネットワークで構成されていたため外部からの攻撃に対するセキュリティはさほど重要ではありませんでした。

しかし近年においては、工作機械であれば稼動データを集積して工場全体のパフォーマンスを管理したり、保守部品・部材のコントロールを行ったりなど生産効率向上のために開かれたネットワークへと繋げる機会が多くなっています。開かれたネットワーク上にotが置かれると、外部からの攻撃に晒されやすくなります。実際に2015年にウクライナで、都市規模の大停電が起きてしまいました。大きなシステム、都市基盤となる設備の管理を担うotがハックされると都市機能が傾きかねないためセキュリティの重要性が説かれるようになったという訳です。

itに比べて、セキュリティの導入やメンテナンスの難易度が高い点はよく覚えておくべきポイントです。数台のメインパソコンを残して、他の機器のメンテナンスやOSの更新を行うといった手法がotでは不可能となります。工場はもちろん電気・水道など、いずれの機械や設備・システムを稼動しながらメンテナンスなどの業務を行う必要があるからです。

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